困難さを抱える方々の相談を受けて10年程になります。
私たちのもとへは「周囲とうまくなじめない」、「独りで寂しい」という相談から「借金問題」や「労働問題」まで様々な相談が寄せられます。
そのなかでも印象的だったのが、障がいのために周囲との意思疎通がはかれずに、困り果ててしまった方の相談です。
初めは不安そうな顔で表情も乏しかった方が、話を重ねていくたびに、少しずつ笑顔が増えていく・・・とても印象に残っています。
国は「身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」 と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」と障がい者を定義しています。
しかし、社会生活で困難を抱え続けている方を「障がい」と括り、レッテルを貼り付けるだけで、彼らが生きていくこの社会が変わらなくてもいいのでしょうか。
私はそうだとは思えません。
意思を伝えようとする思いや個性を周りが受け止められれば彼は困ることもなかったでしょう。
私たちは誰もが自分らしく、地域のなかで生きてけるように多様な価値観や個性を持つ「みんな」がお互いに受け止め合い、ともに「明日」への一歩を踏み出し、一人一人の思いを社会へ「足して」いけるような社会を目指しています。
理事長 望月健次